Sol 22 にコンピュータに問題が発生したようで、撮影した画像が地球に送信される前に消えてしまったみたい。
時系列がちょっとはっきりしないところがあるけれど、sol 22 に撮影し、その日には送りきれなかった画像を sol 23 朝に送ろうとしたら、システム上の問題でうまく保存されていなかったよう。 このため、sol 23 は画像撮影を含めて科学調査をストップし、sol 24 には対策を講じた上での活動の指示が送られている。 このためだろう、サイトでは sol 23 のロー・イメージが欠番となっている。 以下は 6/18 付けのプレス・リリースの翻訳 (いくらか回りくどい文章が多かったので意訳した部分も。 誤訳もあるかも)。 これがリリースされたのはおそらく日本時間で 19 日朝、たぶん sol 23 の終わりごろ。
2008 年 6 月 18 日 — NASA の Phoenix Mars Mission は、 火曜日 [17 日、sol 22 に当たる] に異常な大きさの探査機ハウスキーピング・データ [housekeeping data, この場合は後述のようにコンピュータ・システム自体の管理上のデータ] を生成し、 一部の致命的ではない科学データが失われることになった。 フェニックスの技術者たちはこの異常が発生した原因を分析中である。 科学チームは木曜日 [19 日、sol 24] の探査機の活動として、 フェニックスでの夜間を隔てた科学データの保存に頼らないものを計画するとともに、 予備のデータ転送量を確保するために複数の通信中継も利用する。
フェニックスのプロジェクト・マネージャで NASA ジェット推進研究所の Barry Goldstein は、 「探査機は正常で完全に命令実行可能な状態にあるが、 この事象の根本的原因が判明するまで注意深くことを進めている」 と語っている。
通常、フェニックスは、 コンピュータ・ファイルの管理に関するわずかな大きさのデータを毎日生成しており、 このデータは、 探査機の不揮発性フラッシュ・メモリに保存において与えられるものとして、 高い優先度を得ている。 火曜日には、このデータの大きさが、 科学データをフラッシュ・メモリに保存することを妨げるほどに大きくなったため、 着陸後第 22 火星日 (sol) が終わった後、 火星の夜に探査機の電源が切られたときの水曜日 [18 日、17日火曜日の誤りかもしれない]、 コンピュータ上の残っていた科学データが保存されなかった。
これらの科学データには高い優先度を持つデータは含まれていない。 フェニックスの腕が掘り進んだ前に撮られた表面の画像を除けば、 ほとんどは再び撮影が可能な画像である。
夜間の休眠時、 電源が切られている間にフェニックスのフラッシュ・メモリに蓄積されるデータの容量に対する負荷を避けるために、 チームは、水曜日 [sol 23] の新たな科学調査をすべて取りやめるとともに、 火曜日に予定の容量を超過したファイルのハウスキーピングを行う種類のデータに対する優先度を下げるよう、 火曜日の午後 [sol 23 の火星の朝と思われる] にフェニックスに指示を送った。
「不揮発性メモリに頼らなくても科学的調査を継続できる」と Goldstein は語っている。 ミッション中に集められたほとんどの科学データは、 夜をまたいだ保管の必要なく、 それが集められたのと同じ sol の内に地球にダウンリンクされてきているが、 いくらかの sol では、チームは意図的に、 [火星の] 午後の通信回線に適合できる分を越えるデータを生み出す画像を含めている。 これは、次の火星の朝に通信回線が開いている間、 追加のデータをダウンリンクするための容量を活かすために行われてきたものだ。 ハウスキーピング・データの大きさが予定外のものとなった根本的原因が判明することになるまでの間、 短期的に科学チームは夜を越えてデータを保管するという方法を差し控えることになる。
一方で木曜日のスケジュールには予備の通信中継の機会が加えられたため、 この日の科学的探査計画は夜越しの保存の必要なしに十分なデータを生成できるようになった。 計画には溝の掘削、画像撮影、気象観測が含まれる。
Sol 22 のロー・イメージには、低解像度のものを含めてだけれど 100 枚以上の画像があるので、 この日は少し仕事をさせ過ぎたのかな。
フェニックスのコンピュータはこれまでも多くの探査機に使用されてきた RAD6000 と呼ばれるもので、 要するに IBM の RS/6000 の放射線に対する耐性を強めたバージョンらしく、 なんで、CPU は PowerPC の親戚筋。 細かい話になるけど、Wikipedia の記述を信じれば、プロセス・ルールが 1.1 µm, クロックは最高 33 MHz (35 MIPS), CPU 自体が持つ RAM が 128 MB ということだそう (en.wikipedia)。 上の記述をみると、この他の記憶装置としてはいくらかのフラッシュ・メモリのみをもつらしい。 GHz とか GB とかの単位に見慣れてしまった目にはロースペックにも思えるけど、 これまでの実績や、磁場や厚い大気に守られてない環境で宇宙線に耐えなきゃなんないことや、 90 年代に開発された探査機であることなんかに拠るんだろうな。
OS の方は何か調べがつかなかったけど、ローバーのスピリットやオポチュニティーには、 Unix 系のリアルタイム OS、“VxWorks” が使われているので同じかもしれない。 なんで感じとしては、/var ディレクトリがあふれちゃったよというところか? 違うか。

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