2008年7月19日土曜日

Sol 52 のフェニックス

Sol 52 は日本時間 2008/07/18 (金) 02:07 ~ 07/19 (土) 02:47 (米太平洋夏時間, PDT 07/17 10:07 ~ 07/18 10:47) ぐらい。

太陽黄経 (Ls) 100°, 太陽と地球との間の角度 25°.4, 地球までの距離 3.32 億 km, 太陽高度 3°.0〜46°.5

Twitter 翻訳

(Twitter / MarsPhoenix より。 火星現地時間はおおよそ)

Sol 52 03:46 (07/18 06:00 JST, 07/17 14:00 PDT)
みんなの赤・青 3D メガネを取り出して! みんな持ってるよね? 3D のイメージ・ギャラリー http://is.gd/WpD の新しい画像 14 枚を見るためには必要だよ。
Sol 52 11:05 (13:31 JST, 21:31 PDT)
マーズ・サイエンス・ラボのウェブ・ページへのリンクを何人かに聞かれたけど、 ここから行けるよ。 http://is.gd/WJb 3 世代のローバーについてもわかる。

2008年7月18日金曜日

Sol 51 のフェニックス

Sol 51 は日本時間 2008/07/17 (木) 01:28 ~ 07/18 (金) 02:07 (米太平洋夏時間, PDT 07/16 09:28 ~ 07/17 10:07) ぐらい。

太陽黄経 (Ls) 100°, 太陽と地球との間の角度 25°.6, 地球までの距離 3.31 億 km, 太陽高度 3°.0〜46°.6

Twitter 翻訳

(Twitter / MarsPhoenix より。 火星現地時間はおおよそ)

Sol 51 02:14 (07/17 03:45 JST, 07/16 11:45 PDT)
ぼくの腕と手についての質問: どっちも問題ないよ。 両方、正常に機能してるし絶好調! けど心配してくれてありがとう。
Sol 51 02:28 (04:00 JST, 12:00 PDT)
手首の動きの状態に関して、ぼくの腕はかしこい。 進み過ぎようとすると止まるんだ。 たいしたことないさ。 @strixus 腕は JPL [ジェット推進研究所, wikipedia] で設計された。
Sol 51 02:32 (04:04 JST, 12:04 PDT)
昨ソル (yestersol) の氷のヤスリがけテストはうまくいったよ。 氷の削りかすは数時間で少しだけ変化をみせてる。 後で装置にサンプルを届けるには朗報。
Sol 51 04:40 (06:15 JST, 14:15 PDT)
@CassiniSaturn を見てみて。 今日、土星の環に急降下する。 前のときどんな風だったか、ビデオはこちら。 http://is.gd/VhZ
Sol 51 11:30 (13:17 JST, 21:17 PDT)
たくさんある質問、Twitter にある他の NASA のミッションについて: 将来の月へのミッションについては、 @LCROSS_NASA, @LADEE_NASA, @LRO_NASA を見て。 それから @NASAKepler もね。
Sol 51 11:36 (13:23 JST, 21:23 PDT)
いい質問だね、 @aar0nh。 ぼくのは、生き物を検出するためのミッションじゃないんだ。 生存に適しているかどうかを決める手がかり (有機物質、鉱物、水の歴史) を探すんだ。
Sol 51 12:06 (13:54 JST, 21:54 PDT)
生存に適するかってのは、 その場所が過去か現在、生命を支えることができるかを決めるって意味。 将来のミッションでは、 生き物をさがすためにこれらの地域に来ることになるかもしれないな。
Sol 51 12:12 (14:00 JST, 22:00 PDT)
@zen_jewitch に。 どうやって水の歴史を知るか? 融けて、また固まった冷凍庫の中のものを調べるみたいなもの。 氷の手がかりが残ってる。
Sol 51 12:57 (14:46 JST, 22:46 PDT)
とりあえず最後の答えね。 @williamsmith 次の火星のローバー (マーズ・サイエンス・ラボ) [wikipedia] は '09 年に打ち上げられる。 JPL で作られてて、とっても大きい (レーザー光線付き)。 すごい。

2008年7月17日木曜日

やっとやすった

Credit: NASA / JPL-Caltech

「やする」などという動詞はたぶんない。 相当長いことかかったが、ようやくヤスリの出番が来たようだ。 『白雪姫』(Snow White) の底をさんざん拡げた上で、 sol 50 に電動ヤスリを使ってサンプルを取るテストを行っている。 とはいえまだテストで、 今のところはスコップの中の土壌がどのくらい速く昇華するかを調べただけだ。 昇華の速度から TEGA へ氷のサンプルを持っていけるかどうか確かめることが主眼のようだけど、 ちゃんと氷のサンプルが採れているのかってのも気になるところ。 ロボット・アーム・カメラで何十分か置きに撮影して、 わずかに変化が見られたと言うことだが、う~んなかなか微妙。

Credit: University of Arizona
Credit: NASA / JPL-Caltech / University of Arizona

このヤスリはコンクリートに穴を開けられる。 つまり右上の画像みたいに、 コンクリートは、ヤスリによっていっぱい穴が開けられられる (× 非文法的)。 左の上の方の画像は、 アリゾナ大学にあるフェニックスの双子の兄弟のスコップについているヤスリの部分。 スコップの裏についていて、下の方の画像から想像するに動きはわりと単純そう。

Sol 50 の昼ごろにスコップ内に取り込まれたサンプルはほんのわずかで、 この日はロボット・アームは夜中までしげしげとそれを眺め続けている。 右下が、この間のロボット・アーム・カメラによる一連の画像を独自合成して並べたもの。 サンプル、本当にわずかだ。 時間によって色調が異なるのは、 例によって照明の都合とかいろいろあるところを強引に色を再現したせいだから、 気にしないで温かい目で変化を比べてくださいまし。 故意にかどうか、少なくとも一度スコップ内の土壌の上を直射日光がなめていて、 眼を凝らせば、その前後で中央の上に飛び出たあたりとか変化している、と言われれば確かにそんな気もする。 単に崩れただけじゃないのかという気もするけれど。 サンプル内には氷っぽいはっきりした白っぽいものも見えないよう。

以下は 1 日遅れの 7 月 16 日付けプレス・リリース。 Sol 51 もフェニックス君はやすり続けているよう (× 非文法的)。

2008 年 7 月 16 日 — NASA マーズ・フェニックス・ランダーのロボット・アーム・スコップの裏にある動力付きヤスリ (motorized rasp) は、 氷の土壌に穴を開けることに成功し、砕かれた物質は着陸船のスコップに集められた。

水曜早朝 [sol 50] にフェニックスから送られた画像とデータは、 スコップ内の削られた物質が、 採取後数時間の間に時間とともにわずかに変化していることを示している。

着陸船のロボット・アーム・スコップの裏側に位置しているこの動力付きヤスリは、 通称『白雪姫』(Snow White) という溝に 2 つの穴を開けた。 ヤスリで砕かれた物質はスコップに集められ、 ロボット・アーム・カメラにより記録された。 この作業は、 氷のサンプルを集めるためにヤスリをかける方法のテストであり、 後日、フェニックスの熱・発生気体分析装置 (Thermal and Evolved-Gas Analyzer) のオーブンでの分析のためにサンプルを集めるのに用いることに備えたものであった。

「非常にうまくいった試みだった。」 「数時間のうちに削りかすから氷と思われるものが昇華する一方、 これは、(フェニックスの装置のオーブンに) 供給するサンプルに氷が残る十分な可能性があることも示している」と、 フェニックスの科学チームのメンバーで、 ヒューストン、NASA ジョンソン宇宙センターの Richard Morris は語った。

水曜日 [sol 51] のフェニックスは、『白雪姫』の溝の掘削と拡張を継続し、 さらに一連のヤスリのテストを行うよう指示されることになる。 着陸船のカメラは、収集後のスコップ内のサンプルの監視に用いられる。

Sol 50 のフェニックス

Sol 50 は日本時間 2008/07/16 (水) 00:48 ~ 07/17 (木) 01:28 (米太平洋夏時間, PDT 07/15 08:48 ~ 07/16 09:28) ぐらい。

太陽黄経 (Ls) 99°, 太陽と地球との間の角度 25°.8, 地球までの距離 3.30 億 km, 太陽高度 3°.0〜46°.6

Twitter 翻訳

(Twitter / MarsPhoenix より。 火星現地時間はおおよそ)

Sol 50 08:28 (07/16 09:30 JST, 07/15 17:30 PDT)
かき氷いる? 今日は、氷の削りかすを作って集めるのにヤスリを使ってる。 その後で、削りかすがどのくらい速く昇華するかを確かめるんだ。 http://is.gd/UoW
Sol 50 09:07 (10:10 JST, 18:10 PDT)
仲間たちは、どのくらい速く削りかすが昇華する (水蒸気になる) かを確かめて、 ぼくが、本物のサンプルをどのくらい速くオーブンに運ばなきゃならないか見積もる手がかりにするつもりさ。
Sol 50 11:08 (12:15 JST, 20:15 PDT)
@LucasZ そう。 昇華の速さはミッションの前にかなり詳しく調べられてきたよ。 http://is.gd/Uue
Sol 50 11:25 (12:32 JST, 20:32 PDT)
@LucasZ, @DarksideHalo ぼくは太陽電池で動いてて、リチウム・イオン・バッテリーに蓄えてる。 この緯度だと、パネルが太陽光を電力に変える効率は 28 % だよ。
Sol 50 22:17 (23:42 JST, 07:42 PDT)
ぼくは、45 平方 ft (4.2 平方 m) のとても大きな太陽電池パネルを持ってきた。 ここまで電力は申し分なし。 実際、期待以上だよ。

ロー・イメージより

(Sol 50 Raw Images より後日作成)

電動ヤスリによる『白雪姫』の底からのサンプルの取得テストが行われた。 上段は、ヤスリの使用直前 (左) と直後 (右) と思われるロボット・アーム・カメラによる溝の底の画像。 画面の中央部やや上にヤスリで削った跡と思われる 2 つの穴が開いている。 採取されたスコップ内の土壌はロボット・アーム・カメラによっておよそ 10 時間に渡って変化が観察された (下段)。 変化の観察よって、土壌が氷であることを確かめるとともに、 その昇華の速さから実際に氷のサンプル供給するときの手順を計画するのに役立てられることになると思われる。 非常にわかりにくいが、土壌にはわずかな変化があったとしている。


#13331 (Sol 50 11:21)

#13297 (Sol 50 11:28)

#13299 (Sol 50 12:03)

#13549 (Sol 50 22:29)
Courtesy NASA / JPL-Caltech / University of Arizona / Max Planck Institute

2008年7月16日水曜日

Sol 49 のフェニックス

Sol 49 は日本時間 2008/07/15 (火) 00:09 ~ 07/16 (水) 00:48 (米太平洋夏時間, PDT 07/14 08:09 ~ 07/15 08:48) ぐらい。

太陽黄経 (Ls) 99°, 太陽と地球との間の角度 25°.9, 地球までの距離 3.29 億 km, 太陽高度 3°.1〜46°.6

Twitter 翻訳

(Twitter / MarsPhoenix より。 火星現地時間はおおよそ)

Sol 49 14:52 (07/15 15:25 JST, 07/14 23:25 PDT)
@timtfj ここのところ着陸地点では、気温が −34 ~ −78°C (−30 ~ −110°F) の範囲で、 空は澄み渡ってる。
Sol 49 15:13 (15:47 JST, 23:47 PDT)
ホットコーヒーいいね、 @tvilot。 あときっと iPhone 3G もね。 このアプリのリストにぼくが載ってるんだって、うれしい! http://is.gd/Rs2

ロー・イメージより

(Sol 49 Raw Images より後日作成)

停止後状態を確認ののち復旧したロボット・アーム。 右の画像には、スコップの裏に『白雪姫』掘削溝において使用されることになる電動ヤスリが見える。 左の画像でスコップ手前のフォーク状の 4 つのプローブがあるものが TECP (熱・電気伝導度探針)。 背後にはスコップが接触した石『アリス』がみえる。 この日はこの後、『白雪姫』の拡張が行われた。


#13042 (Sol 49 09:33)

#13274 (Sol 49 09:41)
Courtesy NASA / JPL-Caltech / University of Arizona

2008年7月15日火曜日

被害者はアリス

Courtesy NASA / JPL-Caltech / University of Arizona

フェニックス君は週末、接触事故を起こしちゃった。 数日画像以外の情報がなかったので様子がつかみにくかったけど、 月曜 (7 月 14 日) のプレス・リリースの最後の段落でようやく見えてきた。 TECP (Thermal and Electrical Conductivity Probe, 熱・電気伝導度探針) の作業中に『アリス』 (Alice) という石にスコップが衝突してしまい、 確認と再開のためにそれぞれ 1 日が費やされたよう。 他の惑星だとちょっとした接触でもいちいち大変なのだなあ。

2008 年 7 月 14 日 — NASA の Phoenix Mars Lander は、硬い表層下の物質の露出部分を拡げるために、 ロボット・アームを使用している。 この物質は、氷に富んだ土壌を分析するためのサンプルを、 着陸船のオーブンのひとつに与えるものと期待されている。

アームによる土曜の作業後には、溝は、 およそ 20×30 センチメートル (8×12 インチ) であった。 チームは今日 [Sol 49]、 長い方の大きさをおよそ 15 センチメートル (6 インチ) 拡げる命令を送った。

トゥーソンにある着陸船のほぼ完全な複製を使った過去 1 週間の実験では、 非公式に『白雪姫』(Snow White) と名付けられた火星の溝から 氷のサンプルを集めるために計画された手順がうまくいくために、 より大きな面が必要なことが示されている。

「今は、サンプルの採掘テストや、 その後の (熱・発生気体分析装置, Thermal and Evolved-Gas Analyzer, のための) 本格的な採掘を行うのに十分な量の暗い氷の土壌が溝の中にない」と、 フェニックスの『掘削の帝王』(dig czar)、 セントルイスのワシントン大学の Ray Arvidson は語った。 アームのヤスリは特殊な捕獲機構でスコップ内に氷の土壌を跳ね入れることになり、 科学者たちは、 ヤスリの動作により溝の内部に残るあらゆる砕けた物質をすくい上げたいと望んでいるのだと Arvidson は述べた。

もっと少ない量の氷を含まない『白雪姫』の土壌のサンプルは、 すでにフェニックスの湿式科学実験装置 (wet chemistry laboratory) と光学顕微鏡 (optical microscope) で調査されており、 フォーク状のプローブ (探針) が、 電気や熱をどの程度伝えやすいかをすぐ近くの土壌で検査している。

「フェニックスの科学チームが、 念入りにこれらさまざまな装置による検査結果の分析作業をしているところだ。」 「我々が確かめつつある暫定的な証拠は、興味をかき立てられるものだ。 結果を公表する前に、 実験室での検査を行って我々の解釈が正しいということを検証したいと思っている」と、 フェニックスの主任研究員 (principal investigator) Peter Smith は語った。

土曜日 [sol 47] にロボット・アームがフォーク状の伝導度プローブを土壌から抜き出す途中で、 アームは掘削地点『白雪姫』のそばの『アリス』(Alice) と呼ばれる岩に接触した。 アームは障害物と接触すると動作を停止するようにプログラムされている。 日曜にチームはアームの状態を評価し、月曜にアームの利用を再開することを決定した。 今日 [sol 49] の命令では、ロボット・アームを岩から離し、 スコップ内の土壌を捨ててから、 『白雪姫』の溝を着陸船から約 15 センチメートル (6 インチ) 前方へ拡げることが命じられている。

なかなか進展しない『白雪姫』からの氷の掘削を差し置いて、 ロボット・アームの手首部分についている TECP によるテストや測定が先週は行われてた。

わかっている範囲では、sol 41 と sol 43 に土壌にプローブを接近または挿入するテストが行われていたが、 本格的な測定が sol 46 から行われたらしい。 場所はテストが行われたところと同じで、SSI 右カメラから見て方位角が 38° ほどなので、 353° (北から西へ 7°) あたりの『ドードー=ゴルディロックス』と 63° (北から東へ) あたりの『白雪姫』の中ほどやや右より。 左の画像の一番上が無事 TECP を土壌に突き刺したところの非公式合成画像。

TECP は土に挿し込まれたまま 1 晩置かれたようだ。 水分が大気に昇華するであろう昼間と、 飽和して霜となるであろう夜間や明け方の土壌の伝導度の変化がわかるとなかなか面白そう。 フェニックスは太陽光の十分でない夜間は普通活動を停止しているが、 電力が十分貯まっているのか、 この sol 46 から sol 47 の夜中には、 ロボット・アーム・カメラ (RAC) が TECP の様子を撮影している。 それを独自構成したものが左の 2 番目の画像。 フェニックスには太陽の光が必要だけど、 RAC のカメラは LED の照明でカラー画像を得るので、光があるとうまく色が再現できない。 夜とはいってもフェニックスがいる所は、 今は太陽が北の空 3° ほどに留まり続ける白夜で真っ暗とはならないものの、 それでもかなり暗くはなるだろう。 地表の画像でもそれなりに色の情報は得られるようだ。

そして上のプレス・リリースでは sol 47 に引き抜かれたときに石にぶつかったとされているが、 画像を見る限りもう少し複雑な経緯があったよう。 接触のあと停止したままになっているアームを確認のため sol 48 に立体撮影しているのが、 左の上から 3 つ目の 3 つの画像。 真ん中の画像を共有して左が平行法、右が交差法用のステレオ写真のペアにしてある。 これをみると明らかにスコップが掘削して土壌をためたまま、 チタン製のスコップの先端がわずかだが『アリス』の後頭部を直撃している。 後頭部じゃなくて額かも。 この『アリス』は最初の画像に写っている石とは明らかに違う。 画像の方位角のデータを見ると 47° ぐらい、 TECP を挿入した位置よりすこし『白雪姫』よりのようだ。 何のための掘削かはわからないが、TECP 関連ということなら、 このあたりで表層下の伝導度も測定する予定だったのだろうか?

最後の画像は、 sol 49 に無事脱出したロボット・アームとさんざんな『アリス』の非公式合成画像。 左側に、sol 46 に TECP を刺した位置と石も写っている。 ちなみにこの左の方の石は、 昔のプレス・リリース画像 (アリゾナ大学サイト) を見ると、どうやら『首なし』 (Headless) と名付けられている石のようだ (ワシントン・アーヴィングの『スリーピー・ホローの伝説』から)。 『首なし』だったら後頭部もなかったろうに。

Sol 48 のフェニックス

Sol 48 は日本時間 2008/07/13 (日) 23:29 ~ 07/15 (火) 00:09 (米太平洋夏時間, PDT 07/13 07:29 ~ 07/14 08:09) ぐらい。 再びフェニックスの火星日が日本時間を追い抜く日。

太陽黄経 (Ls) 99°, 太陽と地球との間の角度 26°.1, 地球までの距離 3.28 億 km, 太陽高度 3°.1〜46°.7

Twitter 翻訳

(Twitter / MarsPhoenix より。 火星現地時間はおおよそ)

Sol 48 14:29 (07/14 14:22 JST, 07/13 22:22 PDT)
@charlesdavison 仲間たちはこの氷ミッションのためにじっとしてる掘削機が必要だったんだけど、 2009 年の打ち上げが予定されている次のミッションはでっかいローバーだよ。

ロー・イメージより

(Sol 48 Raw Images より後日作成)

上段は sol 47 に石 (通称『アリス』) と接触して自動停止したロボット・アームの状態を確認するために撮影されたステレオ画像。 他に何ヶ所かで撮影されているフルスペクトル画像も目立つ。 これまでのものと時間帯を変えての撮影かもしれない。 中段は探査機の南側にある石、通称『ミッドガルド』。 フェニックスからはほぼ毎日、風向・風力を調べるための吹流し、テルテールの小さな画像が何十枚と送られてくるが、 この日は特に、少し大きく撮影した画像が何枚かある (下段)。 テルテールについたチリの状態を観察するためだろう。 吹流しの下にある四角いものは鏡で、SSI の右カメラで撮影すると吹流しを真下から見た様子が写るようになっている。


#12607 (Sol 48 10:16)
左眼用

#12615 (Sol 48 10:16)
右眼用

#12917 (Sol 48 13:40)
左眼用

#12924 (Sol 48 13:53)
右眼用

#13000 (Sol 48 09:28)
左眼用

#13006 (Sol 48 09:29)
右眼用
Courtesy NASA / JPL-Caltech / University of Arizona

2008年7月14日月曜日

その後のその後

ここ数日、SSI のリーダーでテキサス A&M 大学の Lemmon 氏のページがアクセスできなくなって気をもませてたけど、 どうやらめでたく復活。 学科のウェブサーバの更新があったためとか。 ただ、今の時点で新しいロー・データの更新はまだなされていない。 惑星協会の Lakdawalla 氏のブログ更新も数日なく、10 日以降公式プレス・リリースもなし。 そういうわけでロー・イメージをながめて近況を判断するしかない感じ。

少し前の sol 44 に戻ると、 『ホーリー・カウ』(Holy Cow) と『雪の女王』(Snow Queen) のロボット・アーム・カメラによる撮影が行われている。 その後、sol 46 には TECP の接触テストが行われ、前後何度かの『白雪姫』の底のかき取り、 さらに、最新の sol 48 の画像だと、まったく新しい場所の掘削も行われたようだ。 最後の掘削なんかは一体何をやり始めたのか今のところまったく分からない。 ともかく、『ホーリー・カウ』と『雪の女王』のその後のその後の変化を比較してみた。

『ホーリー・カウ』は sol 31 にも撮影されていて、 そのときは画像左上の脚になんとも変な形の白い斑点が増えているのが確認できた (エントリ『聖なる牛、その後』参照)。 Sol 44 の画像も含めて再び比較してみたのが右の画像。 Sol 8 を赤、 sol 31 を緑、 sol 44 を青に割り当てて変化をみたもので、 新たな明るさの変化があれば緑と青で表されるはず、なんだけど、われながらいまいち分かりにくい。 とにかく土壌の上の『ホーリー・カウ』そのものはグレーのままなよう。 しかたないので、さらに一部のみを拡大したものを animated gif にしてみた (下上段)。 左の画像の白い斑点、確かに成長しているようにみえる…。 前のときには気づかなかったけど、 手前右の脚にも小さな白い粒のようなものができている (下上段の右の画像)。 やはり霜がついて成長しているのだろうか?

同様に上の下段の画像は、短い露光時間の写真で、 南側の日光が当たっている『ホーリー・カウ』。 これも暗い部分が増えているのは確かなようだ。

一方の『雪の女王』は、sol 4 に早々と北東の足元に発見された表面のなめらかにみえる物体で、 やはり氷か岩かと騒がれた。 前回撮影されたのは、sol 21。 このときは、見た目に明らかな変化がなかったものの、 撮影位置や向きが異なっていたので『ホーリー・カウ』のような画像を重ねての比較はできていない。 カラー撮影もうまくいっていないようだ (エントリ 『赤の女王?』参照)。

Sol 44 の撮影では、 sol 21 と位置がほぼそろった画像が得られているので比較してみる (左画像)。 赤いところが sol 44 で暗くなった部分、青いところが明るくなった部分だ。 『雪の女王』そのものに大きな変化はなく、 ただ上に乗っていた小石がいくつかなくなったり位置が変わったりしているだけのようだ。 小石の方は風で飛ばされたといったところだろうか。

* * *

ついでに 4 日ぐらい遅れて、プレス・リリースのざっくり直訳。 ちと長い。 TECP と AFM のテストについて書かれている。 今はもう少し進展しているのかも。

2008 年 7 月 10 日 — NASA のフェニックス・マーズ・ランダーははじめてフォーク状のプローブ (探針) を用いた火星の土壌への接触を行い、 また、接触によって微小な粒子の形状を調べる顕微鏡の使用を開始した。

フェニックスのロボット・アームは火曜日に、 挿入過程の検証テストとして、 フォーク状のプローブの 4 つの突起をまだ乱されていない土壌に押し付けた。 この熱・電気伝導度プローブ (thermal and electrical conductivity probe) の突起は、 およそ 1.5 センチメートル、1/2 インチの長さがある。 科学チームは、 ひとつの突起から別の突起へ熱や電気がどの程度伝わりやすいかを評価するために、 このプローブ装置を用いることになる。 こうした測定は、土壌中の凍結した氷や融けた水についての情報をもたらしてくれる。

プローブは、 2.35 メートル (7.7 フィート) の長さのロボット・アームの「手首」に備え付けられている。 フェニックスの 5 月 25 日の着陸以来数回、 大気中に掲げることでこれは大気中の水蒸気を評価してきた。 研究者は、 今日のフェニックスの火星での活動の一部として予定されている地表への 2 度目の接触後、 プローブの最初の土壌測定を得ることを期待している。

また、フェニックスは原子間力顕微鏡 (atomic force microscope) からの最初の画像を送ってきた。 このスイス製顕微鏡は、 シリコンの薄片からすべて微細加工されたバネの端の鋭い突起で粒子を検査することにより、 その表面の画像を構成する。 検出器は表面の凹凸に従って上下し、対象の形状についての情報をもたらす。

「熱・電気伝導度探針で対象にはじめて接触したのと同じ日に、 大きさが 3 桁小さな針、 原子間力顕微鏡の探針 (tip) のひとつで別の対象にはじめて接触した」 と、 伝導度探針と顕微鏡ステーションを含むフェニックスの一群の装置に対する科学主任 (lead scientist) であるカリフォルニア、パサデナ、ジェット推進研究所の Michael Hecht は語った。

原子間力顕微鏡は、 およそ 100 nm、 人間の髪の毛の幅の 1/100 の小さな土壌粒子の詳細な形状を与えることができる。 フェニックスの光学顕微鏡がこれまで火星で得られたものよりずっと高い拡大画像を与えたが、 これは、それが識別できる大きさよりおよそ 20 倍小さい。

原子間力顕微鏡の探針の顕微鏡ステーションのサンプル提示ホイール (sample-presentation wheel) 上の基板 (substrate) への初めての接触は、 検証テストとして行われたものである。 この基板は、顕微鏡による調査のために、 土壌粒子を適切な位置に固定するのに用いられることになる。 この顕微鏡の最初の画像撮影は水曜日に始められ、溝のある基板の修正用画像を生成した。 「この画像の領域全体がまつ毛 1 本に相当するということを考えると本当に驚きだ。 刺激的なものがやってくることを楽しみにしているよ」と Hecht は語った。

これら過去 2 日間の進展で、 探査機は、一群の装置、顕微鏡・電気化学・伝導度分析装置 (Microscopy, Electrochemistry and Conductivity Analyzer)、 すなわち MECA のすべての機能を利用したこととなる。 研究者は、MECA の湿式科学実験装置 (wet chemistry laboratory) により検査された 2 つ目の土壌サンプルデータの分析を今週開始した。

一方で、フェニックス・チームは、 探査機の熱・発生気体分析装置 (Thermal and Evolved-Gas Analyzer) を用いて分析を行うために、 火星の氷のサンプルを集めるための最良の方法について検証を続けている。 この装置は、サンプルを加熱し出てきた蒸気を同定するものである。 研究者は、非公式に『白雪姫』 (Snow White) と呼ばれている浅い溝の内部で掘削された硬い物質の斑点をかき取るために、 フェニックスのロボット・アームを用いている。 凍った水が豊富にあると予想されているこの硬い物質の一部をほぐすために、 アームのスコップの裏に付いた動力付きヤスリ (rasp) の利用を数日中に開始する予定である。

フェニックスの原子間力顕微鏡は、 スイスのヌーシャテル大学が中心となるコンソーシアムによって提供された。

2008年7月13日日曜日

Sol 47 のフェニックス

Sol 47 は日本時間 2008/07/12 (土) 22:49 ~ 07/13 (日) 23:29 (米太平洋夏時間, PDT 07/12 06:49 ~ 07/13 07:29) ぐらい。

太陽黄経 (Ls) 98°, 太陽と地球との間の角度 26°.2, 地球までの距離 3.27 億 km, 太陽高度 3°.1〜46°.7

Twitter 翻訳

(Twitter / MarsPhoenix より。 火星現地時間はおおよそ)

Sol 47 16:32 (07/13 15:49 JST, 07/12 23:49 PDT)
やあ @MardeeT、 ぼくのところの気象状況といまの sol と時間はこのページでわかるよ。 http://phoenix.lpl.arizona...

ロー・イメージより

(Sol 47 Raw Images より後日作成)

Sol 46 に土壌に挿入された TECP (熱・電気伝導度探針) は、 一晩差し込んだままとされ継続的に測定が行われたようだ。 以下はロボット・アーム・カメラがほぼ真夜中に撮影した画像。 照明なしのもの、および R, G, B の照明をあてたものの 4 枚を並べている。 白夜のため照明なしでも真っ暗とはなっていない。 照明をあてたものからなしのものを引いて、適切に合成すればカラー画像が得られるはずである。

この日は、 TECP を抜いたあとにロボット・アームが石と接触し停止している。


#12461 (Sol 47 00:05)
照明なし

#12462 (Sol 47 00:07)
照明 R

#12463 (Sol 47 00:09)
照明 G

#12464 (Sol 47 00:10)
照明 B
Courtesy NASA / JPL-Caltech / University of Arizona / Max Planck Institute

Sol 40 から Sol 46 までのまとめ

できごと

Sol 046 日本時間 2008/07/11 (金) 22:10 ~ 07/12 (土) 22:49 ぐらい。
測定のため TECP の土壌への挿入が行われる。 挿入は『首なし』のやや東よりの表層土壌に対して行われ、翌日まで挿入されたままとされ、ロボット・アーム・カメラによる夜間撮影が行われている。 また、表層ステレオ撮像装置 (Surface Stereo Imager, SSI) による夜間の太陽の撮影も行われる。
Sol 045 日本時間 2008/07/10 (木) 21:30 ~ 07/11 (金) 22:10 ぐらい。
ヤスリによる氷の採取に向けて『白雪姫』の底の硬い層の露出が継続される。
Sol 044 日本時間 2008/07/09 (水) 20:51 ~ 07/10 (木) 21:30 ぐらい。
ロボット・アーム・カメラによるデッキ下の撮影が行われる。 露出した氷ではないかと思われる物体『ホーリー・カウ』(Holy Cow) は sol 31 以来、『雪の女王』(Snow Queen) は sol 21 以来となり、ほぼ同じ位置と角度から撮影されている。 公式のコメントはないが、着陸船の脚についた白い斑点はわずかに大きくなっていることが画像から確認できる [参照 その後のその後]。 AFM のチェックが完了する。 翌 7 月 10 日には AFM のキャリブレーション用の画像が公開されている (アリゾナ大学サイト)。
Sol 043 日本時間 2008/07/08 (火) 20:11 ~ 07/09 (水) 20:51 ぐらい。
Sol 41 に続いて TECP のテストが行われ、TECP の土壌への挿入に成功する。 『白雪姫』からの氷のサンプル採取のためには、電動ヤスリ (motorized rasp) の使用が検討され、硬い層をより露出させるための掘削が継続される。 またカラー・パノラマ撮の欠けた部分の撮影が完了する。
Sol 042 日本時間 2008/07/07 (月) 19:31 ~ 07/08 (火) 20:11 ぐらい。
掘削溝『白雪姫』(Snow White) 底をセカンダリ・ブレードで削ってスコップ内に取り込むテストが行われる。 セカンダリ・ブレード (スクレーパー) は、炭化タングステン製でスコップの底につけられている。 前回の『魔女』のサンプルも同様に採取されたが、今回はより限定的に底にある氷と思われる硬い層の採取を目指したもので、予定されている TEGA [wikipedia] への氷のサンプル供給を踏まえたものである。 このテストでスコップ内に入った土壌は非常に少なく、サンプルとして十分なものではなかったと思われる。 また MECA の一部である原子間力顕微鏡 (atomic force microscope, AFM) のテストも開始された。 [参照 休暇明けはメール・ボックスが怖い]
Sol 041 日本時間 2008/07/06 (日) 18:52 ~ 07/07 (月) 19:31 ぐらい。
Sol 34 に採取した『魔女』(Sorceress) からのサンプルを、湿式化学実験装置 (Wet Chemistry Laboratory, WCL) 第 1 ユニットへ供給する。 これは 4 つある WCL の 2 つめのサンプルとなる。 また、 熱・電気伝導度探針 (Thermal and Electrical Conductivity Probe, TECP) 使用のためのテストが行われる。 掘削可能域中ほどの『首なし』(Headless) と呼ばれる石のそばにロボット・アーム手首部分の TECP を接近させる。 この日は控えめな接近で終わり、土壌に TECP を接触させていない。 WCL と TECP はフェニックスの科学機器としてはいずれも MECA [wikipedia] の一部に分類される。
Sol 040 日本時間 2008/07/05 (土) 18:12 ~ 07/06 (日) 18:52 ぐらい。
引き続き、独立記念日に伴う一時休止 (stand-down) 中。 フェニックスでは周囲の撮影と気象観測が継続される。

ロー・イメージ

プレス・リリース

(2008/07/06 〜 07/12, 日付は米太平洋夏時間, PDT, に基づく)