ここ数日、SSI のリーダーでテキサス A&M 大学の Lemmon 氏のページがアクセスできなくなって気をもませてたけど、
どうやらめでたく復活。 学科のウェブサーバの更新があったためとか。
ただ、今の時点で新しいロー・データの更新はまだなされていない。
惑星協会の Lakdawalla 氏のブログ更新も数日なく、10 日以降公式プレス・リリースもなし。
そういうわけでロー・イメージをながめて近況を判断するしかない感じ。
少し前の sol 44 に戻ると、
『ホーリー・カウ』(Holy Cow) と『雪の女王』(Snow Queen)
のロボット・アーム・カメラによる撮影が行われている。
その後、sol 46 には TECP の接触テストが行われ、前後何度かの『白雪姫』の底のかき取り、
さらに、最新の sol 48 の画像だと、まったく新しい場所の掘削も行われたようだ。
最後の掘削なんかは一体何をやり始めたのか今のところまったく分からない。
ともかく、『ホーリー・カウ』と『雪の女王』のその後のその後の変化を比較してみた。
『ホーリー・カウ』は sol 31 にも撮影されていて、
そのときは画像左上の脚になんとも変な形の白い斑点が増えているのが確認できた
(エントリ『聖なる牛、その後』参照)。
Sol 44 の画像も含めて再び比較してみたのが右の画像。
Sol 8 を赤、 sol 31 を緑、 sol 44 を青に割り当てて変化をみたもので、
新たな明るさの変化があれば緑と青で表されるはず、なんだけど、われながらいまいち分かりにくい。
とにかく土壌の上の『ホーリー・カウ』そのものはグレーのままなよう。
しかたないので、さらに一部のみを拡大したものを animated gif にしてみた (下上段)。
左の画像の白い斑点、確かに成長しているようにみえる…。
前のときには気づかなかったけど、
手前右の脚にも小さな白い粒のようなものができている (下上段の右の画像)。
やはり霜がついて成長しているのだろうか?
同様に上の下段の画像は、短い露光時間の写真で、
南側の日光が当たっている『ホーリー・カウ』。
これも暗い部分が増えているのは確かなようだ。
一方の『雪の女王』は、sol 4 に早々と北東の足元に発見された表面のなめらかにみえる物体で、
やはり氷か岩かと騒がれた。
前回撮影されたのは、sol 21。
このときは、見た目に明らかな変化がなかったものの、
撮影位置や向きが異なっていたので『ホーリー・カウ』のような画像を重ねての比較はできていない。
カラー撮影もうまくいっていないようだ
(エントリ 『赤の女王?』参照)。
Sol 44 の撮影では、
sol 21 と位置がほぼそろった画像が得られているので比較してみる (左画像)。
赤いところが sol 44 で暗くなった部分、青いところが明るくなった部分だ。
『雪の女王』そのものに大きな変化はなく、
ただ上に乗っていた小石がいくつかなくなったり位置が変わったりしているだけのようだ。
小石の方は風で飛ばされたといったところだろうか。
* * *
ついでに 4 日ぐらい遅れて、プレス・リリースのざっくり直訳。 ちと長い。
TECP と AFM のテストについて書かれている。 今はもう少し進展しているのかも。
2008 年 7 月 10 日 —
NASA のフェニックス・マーズ・ランダーははじめてフォーク状のプローブ (探針)
を用いた火星の土壌への接触を行い、
また、接触によって微小な粒子の形状を調べる顕微鏡の使用を開始した。
フェニックスのロボット・アームは火曜日に、
挿入過程の検証テストとして、
フォーク状のプローブの 4 つの突起をまだ乱されていない土壌に押し付けた。
この熱・電気伝導度プローブ (thermal and electrical conductivity probe) の突起は、
およそ 1.5 センチメートル、1/2 インチの長さがある。
科学チームは、
ひとつの突起から別の突起へ熱や電気がどの程度伝わりやすいかを評価するために、
このプローブ装置を用いることになる。
こうした測定は、土壌中の凍結した氷や融けた水についての情報をもたらしてくれる。
プローブは、
2.35 メートル (7.7 フィート) の長さのロボット・アームの「手首」に備え付けられている。
フェニックスの 5 月 25 日の着陸以来数回、
大気中に掲げることでこれは大気中の水蒸気を評価してきた。
研究者は、
今日のフェニックスの火星での活動の一部として予定されている地表への 2 度目の接触後、
プローブの最初の土壌測定を得ることを期待している。
また、フェニックスは原子間力顕微鏡 (atomic force microscope)
からの最初の画像を送ってきた。
このスイス製顕微鏡は、
シリコンの薄片からすべて微細加工されたバネの端の鋭い突起で粒子を検査することにより、
その表面の画像を構成する。
検出器は表面の凹凸に従って上下し、対象の形状についての情報をもたらす。
「熱・電気伝導度探針で対象にはじめて接触したのと同じ日に、
大きさが 3 桁小さな針、
原子間力顕微鏡の探針 (tip) のひとつで別の対象にはじめて接触した」
と、
伝導度探針と顕微鏡ステーションを含むフェニックスの一群の装置に対する科学主任
(lead scientist) であるカリフォルニア、パサデナ、ジェット推進研究所の
Michael Hecht は語った。
原子間力顕微鏡は、
およそ 100 nm、
人間の髪の毛の幅の 1/100 の小さな土壌粒子の詳細な形状を与えることができる。
フェニックスの光学顕微鏡がこれまで火星で得られたものよりずっと高い拡大画像を与えたが、
これは、それが識別できる大きさよりおよそ 20 倍小さい。
原子間力顕微鏡の探針の顕微鏡ステーションのサンプル提示ホイール
(sample-presentation wheel) 上の基板 (substrate) への初めての接触は、
検証テストとして行われたものである。
この基板は、顕微鏡による調査のために、
土壌粒子を適切な位置に固定するのに用いられることになる。
この顕微鏡の最初の画像撮影は水曜日に始められ、溝のある基板の修正用画像を生成した。
「この画像の領域全体がまつ毛 1 本に相当するということを考えると本当に驚きだ。
刺激的なものがやってくることを楽しみにしているよ」と Hecht は語った。
これら過去 2 日間の進展で、
探査機は、一群の装置、顕微鏡・電気化学・伝導度分析装置
(Microscopy, Electrochemistry and Conductivity Analyzer)、
すなわち MECA のすべての機能を利用したこととなる。
研究者は、MECA の湿式科学実験装置 (wet chemistry laboratory)
により検査された 2 つ目の土壌サンプルデータの分析を今週開始した。
一方で、フェニックス・チームは、
探査機の熱・発生気体分析装置 (Thermal and Evolved-Gas Analyzer)
を用いて分析を行うために、
火星の氷のサンプルを集めるための最良の方法について検証を続けている。
この装置は、サンプルを加熱し出てきた蒸気を同定するものである。
研究者は、非公式に『白雪姫』 (Snow White)
と呼ばれている浅い溝の内部で掘削された硬い物質の斑点をかき取るために、
フェニックスのロボット・アームを用いている。
凍った水が豊富にあると予想されているこの硬い物質の一部をほぐすために、
アームのスコップの裏に付いた動力付きヤスリ (rasp) の利用を数日中に開始する予定である。
フェニックスの原子間力顕微鏡は、
スイスのヌーシャテル大学が中心となるコンソーシアムによって提供された。