| Courtesy NASA / JPL-Caltech / University of Arizona |
“Wet Chemistry Laboratory” (WCL)、 まともな訳かどうか分からないけど湿式化学実験装置。 その湿式ほげほげに昨日、土が投入されたけど、さっそく結果発表。 Twitter も伝えているように、火星の土はアルカリ性で、 アスパラガスも育つなかなかいい庭の土になりそうだとか。
- Phoenix Returns Treasure Trove For Science (アリゾナ大学サイト)
- Audio Recording of Phoenix Media Telecon for June 26, 2008 (MP3, 52MB, JPL サイト)
アスパラガスの話は出てこないけど、上のプレス・リリースの方の訳 (誤訳があったらご容赦)。
2008 年 6 月 26 日 — NASA のフェニックス・マーズ・ランダー (Phoenix Mars Lander) は、 昨日、火星の土で最初となる湿式化学実験 (wet chemistry experiment) を問題なく実行し、 フェニックスの科学者たちにとっては、まるで宝くじに当たったかのような豊富なデータが得られた。
フェニックスの装置、顕微鏡・電気化学・伝導度分析器 (Microscopy, Electrochemistry and Conductivity Analyzer), MECA の主任科学者で NASA ジェット推進研究所の Michael Hecht は言う。 「ぼくらは化学のデータの洪水に浸かってるよ。」 「火星の濡らした土の化学的性質がどんなものか、 何が溶け込んでいて、どのくらい酸性、あるいはアルカリ性なのかかを知ろうとしてる。 昨日、フェニックスから受け取った結果を使って、 土のどんな点が生命を支えうるかが言えるようになるだろう。」
「これは、火星だけじゃなく地球以外の他の惑星で行われたこれまでで初めての湿式化学分析だ。」 湿式化学調査の科学主任でタフツ大学の Sam Kounaves は語る。
フェニックスの最初の 2 日間の湿式化学実験のおよそ 80 パーセントはすでに終了した。 フェニックスは、ミッション中、後で使うためにまだ 3 つの湿式化学実験装置を有している。
Kounaves は言う。 「この土は、 南極のドライ・バレー (dry valley) の上流で見つかった表面の土と似通ってたものに思える。」 「この場所での土のアルカリ度はまさに衝撃的なものだ。 この特定の場所、表層から 1 インチのものでは、土はとても塩基性 (basic) で pH は 8 と 9 の間だ。 それから、様々な種類の塩類も見つけた。 まだ分析し同定する時間を持ててないものの、 マグネシウム、ナトリウム、カリウム、塩素が含まれている。」
「塩類は水に含まれるのだから、これは水が存在したさらなる証拠でもある。 さらに適度な量の養分、つまり私たちが知っているような生命が必要としている化学物質も見つかった。」 Kounaves は語る。「次第に私は、火星の驚くべきところとは、それが未知の世界であるからじゃなく、 鉱物学とか多くの点で地球にとてもよく似ているからだとの判断にいたり始めている。」 (以下に続く)
なぜかいくらか食欲をそそる名前の『南極ドライ・バレー』とは 雪や氷に覆われていない極地の「砂漠」を言うようだ。 ググるといろいろ出てきて注目を集めている場所であることがわかる。 マクマード基地に近い 『マクマード』 (McMurdo) という一群の谷が最も有名なよう。
- 南極の砂漠 (北大地球環境科学院 澤柿教伸氏ブログ)
- The Dry Valleys (Antarctic Connection)
- Tour of the McMurdo Dry Valleys, Antarctica (Portland State Univ.)
- Study: Life in antarctic ice may compare to Mars (Oregon State Univ.)
低温で水分が飽和することによる乾燥やポリゴンの存在など、 確かに火星のこの地域になぞらえる部分は大きいんだろう。
それにつけても、最近ちょっと心配かけてる TEGA 君だけど、 気になる最初のサンプルの分析について「驚くべきもの」だとして少し触れられている。 まだどこを驚けばいいかの情報は出てきていないけど。 またどうやら今後の掘削は、 何か硬いものがあるけど白い層には行き当たっていないポリゴン中央の『白雪姫』側を重点的に行うような雰囲気。 やっぱり気をもたせるなあ。
(続き) フェニックスのもうひとつの装置、 熱・発生気体分析装置 (Thermal and Evolved-Gas Analyzer, TEGA) は、 最初のサンプルを摂氏 1000 度 (華氏 1800 度) まで加熱した。 これまで別世界の土壌サンプルをこうした高温まで加熱した例はない。
TEGA の科学者は、土および氷の化学的組成を同定するため、 各温度範囲で放出されたガスの分析を開始している。 分析は複雑で、その過程には数週間かかる。
しかし、「装置からもたらされた科学的データはまさしく驚くべきものだった」 とフェニックスの副調査員で TEGA の主任科学者であるアリゾナ大学の William Boynton は言う。
「現時点では、土壌が過去に水と明らかに相互作用してきたんだとは言える。 それが北極地域のこの特定の場所で起きた相互作用なのか、 どこかで起きてこの地域にチリとして風で飛ばされてきたのかは分からないが。」
JPL のフェニックス計画の科学者である Leslie Tamppari は、 フェニックスがそのミッションの最初の 30 火星日の間に何を達成してきたかを数え上げ、 今後の計画についての概要を述べた。
Tamparri は、地表ステレオ撮像装置 (Stereo Surface Imager) が、今のところ フェニックスの着陸地点の 3 色 360 度パノラマ撮影の 55 パーセントを完了していると語る。 フェニックスは、光学顕微鏡で 2 つのサンプルを分析するとともに、 TEGA と湿式化学実験装置の両者でそれぞれ最初のサンプルを分析した。 毎日の大気の雲、チリ、風、温度、圧力についての情報を集め、 また最初の夜間の大気測定も行った。
着陸機のカメラは、溝を掘る間に露出した白い塊が、 数日をかけて昇華もしくは気化したことにより凍った水の氷であることを確認した。 フェニックスのロボット・アームは掘削を行いサンプルを採取してきたが、 ボリゴン地形のひとつのポリゴンの中心にある『白雪姫』 (Snow White) 掘削溝で これからもそれを継続する。
Tamppari は言う。 「我々は、ここが、 一番上の表面から予測されている氷の層への概要をつかむのに最もよい場所だと考えている。 それが何年も前、ミッションを提案するときに行いたいと願った計画である。 おそらく存在している氷の層にいたる土壌を採取できるような、 まさにこんな場所を我々は望んでいた。」

0 コメント:
コメントを投稿