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週末、プレス・リリースも Twitter も休み。 おそらく火星では『白雪姫』(Snow White) と名づけられた溝の掘削や、 TEGA (加熱器と質量分析器) への強引めの 2 度目のサンプル投入が進んでいるんじゃないかと。
その『白雪姫』、スコップはすでに何かの硬い層に当たっているよう。 溝の底に、はっきりした層はまだ出てきてないようだけど、 いくらか白っぽく見えるものや黒っぽく見えるものは画像を見てても認められる。 黒と白の関係はなぞ。 Sol 22 の掘削開始以来、スコップはすでに溝を何度かこそげていて、 ロー・イメージなどで経過をながめているとその度に白黒模様が変わっている。 なぞ。
反対側の凹みにある『ドードー=ゴルディロックス』(Dodo-Goldilocks) とは違って、 『白雪姫』の溝は、盛り上った「ポリゴン」構造の真ん中あたりにある。 『白雪姫』とは溝につけられた名前で、その姫がいる場所の名前はなぜか『不思議の国』(Wonderland)。 さらにその『不思議の国』のあるポリゴン中央部一帯は『チェシャ猫』(Cheshire cat) という。 意味もなくニヤニヤ。
いきなり氷の層の存在を確認した『ドードー=ゴルディロックス』の方は、 フェニックス君、最近すっかりほったらかしのご様子で、 しばらくはこちらの『白雪姫』にお熱が続きそうだ。 『ドードー=ゴルディロックス』の氷やその周りのサンプルの分析が待ち遠しかったのではあるけど、 もはやこっちはキープしてるからいつでも大丈夫って判断なのかな。 ああ見えて結構罪なやつなのだ。
凍った土を擦り取ることによって、フェニックスのロボット・アームは、 土壌の下の凍った平らな表面を露出し、これが土壌が氷に接する平らな層でありうることを証明した。 科学者は、フェニックスの様々な分析装置のためのサンプルを掘り上げ削り取る次の計画に進むことができる。 科学者は、過去より温暖だった気候周期の間に、土の一部の氷が水であったことがあるかを決定するために サンプルを調べることになる。
『白雪姫』の公開された公式カラー画像は、 sol 32 のものがおそらく今のところ唯一のもの (右上の画像、一部カット)。 この画像の真ん中あたりには、わりとはっきり黒いシミが認められる。 これは、『ドードー=ゴルディロックス』の氷の層のまわりにあるシミにも似てるけど、 輝く層は見えてきていないみたい。 写真の 2 つある長い溝の左半分が sol 22 に最初に掘られた『白雪姫 1』。 それとつながっている右半分がその次の『白雪姫 2』。 さらに左上に半分だけ写っている小さな溝は、2 番目のサンプルを採った跡で『白雪姫 3』。 もはや別々の名前を考えるのは諦めたらしく、 このままだと 7 人の白雪姫が出てきそうな勢いだ。
そしてまたもや例によって、 過去の画像から疑似カラー画像を独自合成して下に羅列してみるのだった。
これらは RGB のカラー撮影用のフィルターの画像をそれなりに合成したもの。 まともな調整はできないので見た通りの色は信じちゃだめだけど、色の対比はわかるはず。 『白雪姫 1』は sol 22 に掘削されたが、一番左が 2 ソル後の sol 24 の画像。 これより前の画像だと、sol 22 の画像は真ん中に影が横切ってて様子が分かりにくいし、 sol 23 は撮影が一切行われていないので、これが底の様子がよくわかる最初の画像になる。 深さは 2 cm とのことだけど奥の方ほどいくらか深そう。 注目してほしいのは、溝の底右半分に周囲より白っぽい模様があること。
これは sol 24 午前中の画像で、 この後 sol 24 の内に『白雪姫 2』が掘られている。 さらに『白雪姫』 3 号からのサンプル採取は翌 sol 25 に行われている。 Sol 25 は一部の波長のロー・イメージしかないので、 飛び抜かして、上の真ん中の画像が sol 26。 3 号は左端にちょっとだけ影が写っているけど、ほぼカットしている。 おそらく 3 号から落ちた土くれで 1 号が埋まって底が見えなくなってるが、 2 号の底には左半分によく似た白っぽい筋がある。
Sol 27, 28 はまた画像がなくて、 sol 29 はサボって、sol 30 も休みで、その次の画像は sol 31 (右)。 5 ソルたっても白い模様にはほとんど変化がないみたい。 こっちこそ塩かなにかなのかも。 これら 3 枚が撮られたのは多少前後があるもののいずれも午前 10 時台で、 太陽の光は右上から注いでいる。
さてここにきて白っぽい部分をもっと掘ってみようぜ、 ということになったかどうかはわかんないが、 sol 31 の日中には 1 号 2 号の中央あたりを何度か削ってみたようだ。
上の左の画像は先のと同じく sol 31 だが、 今度は午後 4 時ごろで、太陽は真後ろやや左下の方から射している。 このあたりは日中太陽電池パネルの影になるようで、 きれいに見える時間帯は限られるようなのだ。 新たに掘り進められた中央部分には等間隔の縦縞があり、 スコップでは硬すぎるか何かで今度はブレードが使われたのかもしれない。 結果現れているのがなんと白ではなくて例の黒いシミなのだった。 ちなみにこれの元画像は上の公式画像と同じもの。
さらに翌日 sol 32 の画像が真ん中のもの。 1 号 2 号とその右側 (4 号?) 全体が掘り進められて、 『ドードー=ゴルディロックス』のようにつながった幅広い溝となっている。 朝方の写真で明るく白っぽく見えていたのと同じものと思われるシミが、 この画像ではむしろいくから暗く、しかし他の土壌と違って相対的に短波長に偏った色を示している。 そしてなんと黒いシミはなくなってしまった。 そしてそして、最後がその右の sol 33 の画像 (緑の水平の帯はデータが一部欠落しているところ)。 中央をまた擦り取ったようで、黒いのが元気に再登場。 う~む。
おまけの 2 つの画像は、 最初の頃の sol 24 と最近の sol 31 の様子を別のフィルターの画像から合成した正真正銘の疑似カラー画像。
一番短い 445 nm を中心波長とするフィルターを B に、一番長い近赤外線の 1001 nm を R に、 残りの G をそれなりに割り当てている。 土壌がおよそ R,G,B 同じ強度となるよう (つまりグレーとなるよう) 調整したので、色は土壌と比べたときのこれらの波長の相対的な大きさみたいなもの。 影の縁の水色や右側の赤や黄色の帯は、 撮影時刻の若干の違いにより影がずれたためにできたアーティファクトなので気にしない。 ぼーっとしっかり眺めてないと気づかないが、影というのは思っているより速く動くものなのだ。
左の画像の「白い」シミは、 土壌との短い波長でのスペクトルの違いがかなりはっきりしているみたいだ。 右でもあるけど目立ってない。 溝の上部に捨てた土壌も若干色合いが違うようなのは、 シミ物質が混じっているからかもしれないし、単に画像処理の問題かもしれない。
で、白いシミと黒いシミは一体何だろう? Sol 31 の 2 枚の画像では数時間しか間隔が空いてないので、 おそらく元からそこにあった何かが見えている。 白かったり黒かったりするのは、 スコップとブレードの掘り方の違いに関係した表面の状態とか何かそれなりの火星の大人の事情のせいで、 これらは実は同じものなのかもしれない。 実際現れている場所は対応しているし。 結局よく分からないが、俄然、私もシミのある白雪姫に夢中になりつつあるのだ。





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