2008年6月11日水曜日

フェニックスはフリカケをおぼえた!

ロボット・アームの先端

細かい粒子だけをスコップから落とす「振りかけ法」(sprinkling method) の練習は どうやらとてもうまくいったみたいだ (animated gif). これで装置へのサンプルの供給の問題はなんとかなりそうで、まずはめでたい。 北極地方の土壌粒子がなぜ固く結びついているかという新たな謎を知るのに、 振りかけで落ちてくる小さな選別された粒子だけからどこまでわかるかちょっと不安だが、 サンプルをスコップの 2 つのブレードでまず砕いてから供給されることも検討されているらしい。

ヤスリ用のモーターを使って土を少しずつ振りかけるというこの方法は、 おそらく sol 17 (だいたい日本で木曜) あたりでサンプルを顕微鏡に供給するのに使用されて、 そのあと TEGA への雪辱戦にも使われることになりそう。 この振りかけ法はすでに数ヶ月前に考え出されていたみたい。 いろんな可能性に対して準備しておいたひとつというところなのだろうか。 振動させるのに使われたヤスリのモーターは本来氷を砕くためものなのだけど、 なんとも都合のいいことにスコップの真裏につけてあった (右の図)。

ついでに昨日のプレス・リリースの画像キャプションもいくつかまじめに読んでみた。 なんだか興味深げな仕組みの写った写真とともに、 ふるい (スクリーン) のある TEGA の土の投入口の機構も説明してあるのだが、これがいまいち分かりにくい (TEGA ワーリギグ模型、JPL サイト)。 まじめに訳すとこんな感じ。

この写真は入り口のスクリーン (input screen) [ふるい] の下にある オーブンへの導入機構を示している。 スクリーンは、1 インチと 1/2 インチ [2.5 cm と 1.3 cm] の幅のファネル (じょうご) の上にあるが、 この模型では、シャフトに付いたネジから吊り下げられた ワーリギグ (whirligig) [回転するものの意] を示すために取り除かれている。 下の黒い穴はオーブンへと通じたポートホール (porthole) である。 微弱な電流がシャフトに付けられたバネを伸び縮みさせる。 シャフトが回るとともに、ネジがスクリーンにぶつかり、 試料の塊を細かな粒子へとくだいて、 1 mm 四方のスクリーンの目を通して通過できるようにする。 スクリーンをたたくために与えられるエネルギーは およそポンドあたり[?] 0.02 インチ、 すなわち 1 ポンドの質量のものを [重力加速度に逆らって?] 2/100 インチ動かすのに 必要な力 [エネルギー?] である。 ネジは 3 つの羽根をもつワーリギグを持ち上げ、 これによってワーリギグが細かな粒子を押し出すとともに、 オーブンの口を開いたままに保ち、導入過程を助ける。
TEGA のふるいの中

右の写真では少し分かりにくいけど、ファネルは V 字型に凹んでいる。 TEGA の加熱器部分は 8 つの口が 4 つずつ左右にならんだ屋根型の形をしているので、 スクリーンやファネルも写真ぐらいの角度がつきじょうごとなって粒子を下に落とす。

文中のポンドあたりインチなどという単位にはめまいを禁じ得ないけれど、 重量ポンド×インチと解釈して SI に換算すると 0.002 J ぐらいとでた (ありがたや Google)。 これ自体は小さなものではありそうだけど、特に参考にはならないか (about が 2 つもついているしたぶんすごくアバウトなのだろう ^^)。

シャフトが回るとしてあるのは、おそらく電磁石か何かである範囲を振動するということなのだろう。 それでネジがスクリーンをたたくとともに、「ワーリギグ」なるものが、 ポートホールが土くれで塞がれるのを防ぐと。 この目をひくワーリギグの形にはそれなりに意味があるのだろうけど、 予想外の土壌の性質で案外このあたりで詰まっていたりしないのかな。 こればかりは火星に誰か行って見てくるまで永遠の謎かもしれない。

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